ブートプロセスの最中にカーネルがハングしたり、搭載されている周辺機器やドライブが正確に認識されないなどの問題が起こったら、まず 「起動パラメータ」 の説明に従って起動パラメータを確認してください。
ブートシーケンスの途中で、can't find
(〜が見つからない), something
(〜が存在しない), something
not presentcan't initialize
(〜を初期化できない), something
this driver release depends on
(このドライバには〜が必要だ) などのメッセージがたくさん出力されることがあります。これらのメッセージのほとんどは無害です。これらが出力される理由は、インストールシステムのカーネルが、いろいろな周辺デバイスのできるだけ多くに対応しようとしているからです。そのため、OS が実際には存在しない周辺機器を探すことになるので、文句を吐くわけです。システムがしばらく止まったように見えることもあります。これはデバイスが反応するのを待っているために起こるものです (実際にはそのデバイスは存在しないので、止まってみえるわけです)。システムの起動に要する時間が堪えがたいほど長い場合は、後で自前のカーネルを作ることもできます (「新しいカーネルのコンパイル」 参照)。 something
最初の起動段階は通過したのに、インストールが完了できなかった場合は、メニューから
を選択するといいかもしれません。インストーラーからのシステムのエラーログや設定情報をストレージメディアに格納したり、web ブラウザでダウンロードしたりできるようになります。この情報は、何が間違っていてどのように修正するか、といった手がかりを示しているかもしれません。バグ報告を送る際に、バグ報告にこの情報を付けることができます。その他のインストールメッセージは、インストール中では /var/log/
で、インストールしたシステムが起動した後では /var/log/installer/
にあるはずです。
まだ問題がある場合には、インストールレポートをお送りください (可能な限り英語でお願いします) 。また、インストールが成功したときのインストールレポートもお送りください。そうすると、たくさんのハードウェア設定情報を手に入れることができます。
あなたのインストールレポートは、Debian バグ追跡システム (BTS) で公開され、公開メーリングリストに転送されることに留意してください。必ず、公開されても問題ない e-mail アドレスを使用してください。
動作する Debian システムがある場合、インストールレポートを送る最も簡単な方法は以下のようになります。installation-report
と reportbug
パッケージをインストール (apt install installation-report reportbug) し、「システムの外に電子メールを送る」 で説明しているように reportbug
を設定して、reportbug installation-reports を実行してください。
代わりに、インストールレポートを記入する際には、以下のテンプレートも使用できます。テンプレートの空欄を埋めた上で、installation-reports
疑似パッケージのバグ報告として、<submit@bugs.debian.org>
宛にお送りください。
Package: installation-reports Boot method: <インストーラーの起動方法は? CD?/DVD? USB メモリ? ネットワーク?> Image version: <イメージをダウンロードした URL 全体がベストです> Date: <インストールした日時> Machine: <マシンの説明 (例 IBM Thinkpad R32)> Processor: Memory: Partitions: <df -Tl の結果; 生のパーティションテーブルが望ましいです> lspci -nn および lspci -vnn の出力: Base システムのインストールチェックリスト: [O] = OK, [E] = エラー (以下に詳しく記述ください), [ ] = 試していない 初回起動: [ ] ネットワークカードの認識: [ ] ネットワーク設定: [ ] メディアの認識: [ ] インストーラーのモジュール読み込み: [ ] ディスクの認識: [ ] ディスクのパーティション作成: [ ] base システムのインストール: [ ] 時刻とタイムゾーン設定: [ ] ユーザーとパスワード設定: [ ] インストール作業: [ ] ブートローダーのインストール: [ ] 全体のインストール: [ ] コメント/問題など: <インストールに関すること。初期インストール時に抱いた感想、コメント、アイデアなどがあればそれらもお書きください> 有用だと思われるインストールログがこのレポートに添付されているのを確認してください (インストーラーシステム中の /var/log/ とインストール済みのシステムの /var/log/installer 以下にあります) 大きなファイルは gzip を使って圧縮してください。
バグ報告の際には、カーネルがハングした直前に表示されたカーネルメッセージを添えて、何が問題なのかを説明してください。また、問題が起きるまでにシステムに対して行ったことも記述してください。